浦沢直樹のMONSTERを完全ネタバレ!時系列であらすじをまとめてみた

スリリングで読み応えある長編サスペンス漫画『MONSTER』(原作:浦沢直樹)。
海外映画を漫画化したような壮大なスケールと圧倒的世界観が素晴らしく、本当に大好きな作品です。

浦沢直樹先生は、他にも『MASTERキートン』など数多くのヒット作を連発されていますが、『MONSTER』は特に僕のイチオシ作品です。

本作はコミックス18巻に及ぶ作品ですが、かなり練り込まれたストーリーゆえに、物語の全体像はなかなか一度読了しただけではつかみにくいところです。
伏線もたくさんありますので、きちんと理解できなかった方はモヤモヤされていることでしょう。
本来であれば読み直していただきたいところですが、当記事では思いっきりネタバレとして、起こった出来事を丁寧に時系列にまとめてみました!

なるべく本筋のみをまとめています。
ヨハンの生い立ちおよび殺人行脚(笑)をメインに追っています。
※緑色の枠で囲んでいるのは僕の考察です。

ちなみに当記事はあらすじだけ追っていますが、本作は随所に濃厚な人間ドラマがありキャラクターも魅力的なので、改めてじっくり読み込んでいただくのがオススメです。

時系列での出来事紹介

ヨハン誕生前

不明

・ボナパルタ、『なまえのないかいぶつ』『めのおおきなひと くちのおおきなひと』『へいわのかみさま』『めざめるかいぶつ』を執筆。(14巻)

・ボナパルタ、対西ドイツ戦略としてのエリート要請計画の主要人物となる。(14巻)

1963年前後

・グリマーとロベルト、「511キンダーハイム」で人格改造実験を受ける。(11、18巻)

1969年

・チャペック、ボナパルタの子供の人格改造実験「朗読会」を聞いて以来、彼に心酔する。(16巻)

ヨハン幼少期

1975年5月

・ヨハンとアンナ、ボナパルタの実験で出会った両親のもとにチェコに生まれる。父は死亡。(16巻)

1981年(ヨハン6歳)

・ヨハンとアンナ、反政府運動の活動家であった母とともに逃亡。親子3人で「3匹のカエル」に隠れ住む。(11、15巻)

・(ボナパルタと)チャペック、アンナを拉致し「赤いバラの屋敷」へ連行。双子の片方の選択を迫られた母親は逡巡しアンナを差し出した(ヨハンとアンナは同じ格好)。ヨハンは独り『なまえのないかいぶつ』を読み続ける。(15、17、18巻)

・ボナパルタ、双子母に恋心を抱いたため、実験中に関係者を皆殺しにしアンナを逃がす。双子母は失踪する。(14、17巻)

・アンナ、惨劇をヨハンに伝える。その後2人とも、拉致されたのはヨハンであると取り違えて記憶する。(17巻)

ヨハンはこの頃から絵本『なまえのないかいぶつ』の怪物と自分を重ねはじめ、狂気が生まれはじめる。

・ヨハン、「3匹のカエル」に放火。アンナとともに失踪する。(11巻)

・ヨハンとアンナ、生きるために転々とする。ヨハンはその際に親切にしてくれた人達を殺していく。(2、16巻)

殺害理由は、『なまえのないかいぶつ』の結末(名前を呼んでくれる人が誰もいなくなってしまう)になぞらえるため。
アンナに「いい計画がある」と言ったのも同じ意味。

・ヴォルフ将軍、双子を発見し名前をつける。(14巻)

ヨハンにとって、ヴォルフ将軍は命の恩人であり名付け親という特別な存在。
ゆえにヨハンにとっての愛情表現として、「終わりの風景」を見せようとする。
「終わりの風景」とは、誰も名前を呼んでくれる人がいない状況、完全なる孤独を意味し、そしてそれは『なまえのないかいぶつ』の結末とも重なる。

1984年(ヨハン9歳)

・ヨハンは「511キンダーハイム」に入所。アンナは普通の孤児院に。(3、14巻)

・ヨハン、薬物投与による尋問される。自らの出生を語りテープに録音される。「アンナを忘れることが怖い!」(14巻)

1985年(ヨハン10歳)

・ヨハン、「511キンダーハイム」の教官・生徒に殺し合いをさせて施設を壊滅させる。ヨハンとクリストフのみ生き残る。(3、16巻)

壊滅させた理由は、ヨハンの狂気によるものだけでなく、アンナの記憶を失いたくなかったからというのもある?

プロローグ

1986年(ヨハン11歳)

・ヨハンとアンナ、リーベルト夫妻の子として西ドイツに亡命。ボナパルタ、双子の寝顔を見る。ヨハン、リーベルト夫妻を殺害。(2、14巻)

・アンナ、今まで親切にしてくれた人達の死がヨハンの仕業であると知る。ヨハンの指示通りヨハンの頭部を撃つ。(2、14巻)

ヨハンはアンナに「今日は特別。怪物が僕らを連れにやってきた。」と言う。
怪物とはボナパルタを指し、彼が双子の寝顔を見にきたことが、殺害に何らかの影響を与えたとも捉えられる?
ヨハンがアンナに頭部を撃たせたのは、『へいわのかみさま』の結末とも重なるので、インスピレーションを受けたか?

・テンマ、院長の命令を無視してヨハンを救命する。(1巻)

・ヨハン、テンマの恨み言を聞き医院長らを殺害。ヨハンとアンナは共に病院から失踪する。(1巻)

ヨハン・アンナ病院失踪後

1986年(ヨハン11歳)

・ヨハン、アンナと共にフォルトナー夫妻に引き取られるも、フォルトナー夫妻の元から失踪し、子のいない老夫婦の元を転々とする。(2巻)

1989年〜(ヨハン14歳〜)

・ボナパルタ、ベルリンの壁崩壊直前に西ドイツに亡命。ルーエンハイムでホテルのオーナーとして隠居生活。毎日のようにヨハンとアンナの絵を描く。(17巻)

1990年(ヨハン15歳)

・ヨハン、15歳で闇の銀行の頭取として君臨。突然姿を消し裏社会に混沌をもたらす。(6、9巻)

その理由は、金に対する大人の習性を実験するためか、あるいは単に蟻の行列を子供がいじるような意味。

1992年(ヨハン17歳)

・ヨハン、ランガーと同居する。(9巻)

1995年(ヨハン20歳)

・ヨハン、シューバルトの周囲の人間を次々と殺害。ランガーも殺害。彼を孤独にし成り代わろうとする。(7、8、9巻)

成り代わろうとした意味も、やはり蟻の行列をいじくるような意味?
もしくは幼少期に一度会っていることをうっすら記憶している?

ヨハン青年・前期(絵本失神前)

1995年(ヨハン20歳)

・ヨハン、行く先々で養父母となっていた夫婦や老婦人を殺害していく。(1、5巻)

『なまえのないかいぶつ』の結末(名前を呼んでくれる人が誰もいなくなってしまう)になぞらえるため。

・ヨハン、テンマの前に現れる。テンマが救った錠前屋のユンケルスを殺害し、過去の医院長ら殺害を告白する。(1、6巻)

・エヴァ、ヨハンを目撃する。(6巻)

・テンマ、アンナに再会する。フォルトナー夫妻とマウラー記者がヨハンの刺客である刑事2人(ミュラーとメスナー)に殺害される。(2巻)

・テンマ、殺人犯の濡れ衣を着せられる。逃亡しながらヨハン殺害を企てる。(2巻)

1995〜97年(ヨハン20〜22歳)

・アンナ、ヨハンを殺害を企てる。ヨハンに近づくため、極右の大物である赤ん坊とゲーデリッツ教授に会う。(4巻)

闇の組織について。
闇の組織の狙いは、ヨハンを新しいヒトラーに見立て組織を拡大させること。
組織のトップ四人衆は、「ヴォルフ将軍(便宜上属しているだけ)」「ペトル・チャペック」「クリストフの父(故人)」「ゲーテリッツ教授」。
その他の重要人物として、「赤ん坊」と「クリストフ」。
「赤ん坊」は、ゲーテリッツ教授同様に人種差別主義者にすぎない。
「クリストフ」はヨハンと「511キンダーハイム」の頃からの友達と自称し、2人で世界を動かそうと考える。

・ゲーデリッツ教授、ニナを餌にヨハンをおびき寄せようとするも、ヨハンに殺される。(4巻)

ヴォルフ将軍を孤独にする(「終わりの風景」を見せる)ため?
もしくは、闇の組織の大物だが人種差別主義者であり、そんなやつに利用されるのが嫌だった等が理由か。

・テンマ、ヴォルフ将軍に会い、ヨハン殺害を依頼される。(4巻)

・テンマとアンナ、極右組織のトルコ人街焼き討ち事件の被害拡大を防ぐ。(4巻)

・テンマとアンナ、ヨハンの中に2つの人格があることを疑う。(4巻)

実際はそうではなく、『なまえのないかいぶつ』を無意識に引用したにすぎない。

・ロベルト、フォルトナー夫妻とマウラー記者の殺害実行犯であるミュラーを監視する。メスナーは殺害済み。(5巻)

・アンナ、ヨハン殺害を目論んでいるためロベルトに殺害されそうになるもミュラーに救われる。ミュラーは死亡。(5巻)

・エヴァ、ヨハンを目撃したことでロベルトに殺害されそうになるも、うまく逃れる。(6巻)

・ヨハン、シューバルトに近づくため偽物の息子を用意し騙らせる。バレそうになり偽息子を殺害。(本物の息子カールが現れたため、偽息子が不要となる。)(6巻)

・ヨハン、シューバルトを孤独にするための連続殺人に気づいたリヒァルトを、自殺に見せかけて殺害。(7巻)

・ロベルト、真相を知ったリヒァルトの友人ライヒワイン殺害を企てる。テンマがライヒワインを救う。(7巻)

・テンマ、ライヒワインの協力により、ヨハンの居場所を突き止める。(7巻)

・ヨハン、図書館で絵本『なまえのないかいぶつ』を読み失神。(8巻)

ヨハン青年・後期(絵本失神後)

1997年〜(ヨハン22歳〜)

・ヨハン、シューバルトに成り代わり計画に興味がなくなる。(9巻)

・ロベルト、ランガーの名を騙っていた元娼婦を殺害。(8巻)

・アンナ、絵本『なまえのないかいぶつ』を読む。記憶がおぼろげに蘇る。(9巻)

・テンマ、蔵書寄贈セレモニーでヨハンを狙撃しようとするもロベルトに邪魔される。ロベルトを撃つ。(9巻)

・ヨハン、シューバルト殺害計画を変更し参列者全員を殺害しようとする。テンマ、火災から参列者を救う。テンマとアンナ、ヨハンを殺害しようとするも逃してしまう。テンマ、アンナを救い再びヨハンを追う。(9巻)

・ヨハン、シューバルトの元から行方不明になる。自らのルーツを追い始める。(9巻)

・テンマ、シューバルトの伝言で「3匹のカエル」の存在と双子母の存命を知る。(9巻)

・女装ヨハン、元511キンダーハイム医院長ペドロフを殺害。ルーツの鍵を握るテープ(ヨハンが自らの出生を語っている)が目的だが入手できず。貸金庫の鍵はグリマーのもとに。(10巻)

・グリマー、テープを入手したい旧秘密警察のゼーマンに拷問される。女装ヨハンの助けもあり、超人シュタイナーとなってゼーマンを殴殺する。(10巻)

それぞれの思惑を整理。
ヨハンとしては、組織との考えにズレが生じており旧秘密警察も邪魔になっている?
・組織の目的=「東側世界復活のため、ヨハンに511出身者を統率してもらう」
・旧秘密警察の目的=「組織に協力しテープを入手したい(金のため)」
・ヨハンの目的=「自らのルーツ探し」

・女装ヨハン、スーク刑事に接触。プラハ警察署内の旧秘密警察の人間を毒殺する。(10巻)

・グリマー、スークにテープが隠された貸金庫の鍵を託す。(10巻)

・女装ヨハン、スークを張っていた刑事を殺害。スークが容疑者にされる。(11巻)

ちなみにこの刑事も怪しい顔だが、旧秘密警察ではなく多分普通の刑事。(スークが旧秘密警察の人間であり署内殺人事件の犯人であると疑っているにすぎない。)
ヨハンが刑事を殺害した理由は、スークをハメようとしたから?(一人でテープに近づこうとしている。)

・スーク、母にテープを預ける。(11巻)

・ヨハン、スーク母に近づきカセットテープを聞く。行くべきところに気づき、テープの重要箇所を消去。(11巻)

・テンマ、警察に捕まる。(12巻)

・ロベルト、パートナー弁護士としてヴァーデマンに近づく。テンマにエヴァを殺害すると予告する。(13巻)

・テンマ、エヴァを守るために脱走する。(13巻)

・ロベルト、ヴァーデマン父とボナパルタの接触メモを回収する。(14巻)

・アンナ、「赤いバラの屋敷」に到達。惨劇の記憶が蘇り卒倒。(ただし、拉致されたのはヨハンだと取り違えて思い出す。)(14巻)

・ヨハン、「赤いバラの屋敷」に到達。放火する。(14巻)

・ヴォルフ将軍、「終わりの風景」を見ながら死去。(14巻)

・エヴァ、チャペックの依頼(ヨハンの首実検)を受ける。(14巻)

・エヴァ、ヨハンを発見し、チャペックとクリストフ会わせる。(15巻)

・エヴァ、仕事終了後に殺されるはずがマルティンに逃がされる。マルティン死亡。(15巻)

・テンマ、警官に見つかり逃走中に車に轢かれる。ミランに匿われる。ミランはチャペック暗殺に失敗し死亡。(15、16巻)

・ヨハン、連続殺人犯を操り3人を殺害(時系列的にはもう少し前かも)。(16巻)

3人のうち2人はクリストフの醜聞隠しのため。
エーリヒ・クランペラーは、クリストフを養子として闇で斡旋した人物でその口封じ。

・赤ん坊、ヨハンに不信感を持つ。その後、女(闇の組織ではなく、ヨハンまたはクリストフの刺客)に殺される。(16巻)

・チャペック、ヨハンに対して強い不信感を抱き、保身のためアンナの拘束を指示する。ボディガードを殺害するなど錯乱。(16巻)

・ヨハン、チャペックに会う。「僕の中の怪物は外側にいた」と漏らす。(ボナパルタを指す。)ボナパルタの居場所を聞く。(16巻)

・アンナ、チャペックに会い、ボナパルタ存命を知る。ヨハンの居場所を聞く。(16巻)

・エヴァとテンマ、クリストフに会う。テンマ、ヨハンの居場所を聞く。(16巻)

・ヨハンとアンナが対峙する。アンナ、記憶の取り違え(=「赤いバラの屋敷」に拉致されたのはヨハンではなくアンナ)をヨハンに告げる。(16巻)

・テンマ、放心状態のアンナを発見。ヨハンは去っていた。アンナ、「赤いバラの屋敷」の惨劇をヨハンに伝えたために怪物を産みだしたことを後悔。(17巻)

・チャペック、錯乱し殺害したボディガードの仲間に射殺される。(17巻)

・ヨハン、ロベルトを実行犯にルーエンハイムにて大量殺戮事件を決行させる。(17、18巻)

・グリマー、ロベルト、ボナパルタが死亡。(18巻)

・ヨハン、アンナに許される。(18巻)

・ヨハン、ヴィムの父に頭部を撃たれるも、テンマにより再度命を救われる。(18巻)

エピローグ

1997年〜(ヨハン22歳〜)

・テンマ、無罪が証明される。その後国境なき医師団に参加。(18巻)

・テンマ、ヨハンとアンナの母に会う。(18巻)

・テンマ、意識不明のヨハンに会う。ヨハンの記憶(アンナがチャペックに拉致された際、母がどちらを差し出そうか逡巡した事)をインスピレーションで感じる。(18巻)

・ヨハン、姿を消す。(18巻)

杉直樹
杉直樹 著者の杉直樹です。
"ライフクエスト"は、基本的にはジャンル多岐にわたる総合ブログです。
"人生をより豊かにする"と"社会をよりよいものにする"にマッチした記事をたくさん書いていけたらと思います。
お役に立てる記事があれば幸いです。